生活保護制度とは?生活保護を受けるための条件や申請方法を徹底解説!

生活保護制度とは

生活保護制度

生活保護制度は資産や能力などすべてを活用しても困窮する生活困窮者に対して困窮の程度に応じた保護を行う制度のことです。
生活保護制度の目的は、生活困窮者の保護を行うことにより自立を助長することで健康で文化的な最低程度の生活を保障することです。

具体的には住まいや生活、医療や介護など必要最低限の費用を公的に支出する制度であり、いつでもどこに住んでいても生活に困った理由に関係なく自由に申請することができます。

生活保護法

生活保護法は生活保護について規定した社会福祉六法の1つの法律です。

第1条の目的では「日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」と定めています。

一連の社会福祉立法はイギリスの救貧法を参考にしてつくられたもので、他に恤救規則、救護法、母子保護法、医療保護法などがあります。

現行の生活保護法は、1946年に法律第17号として公布された後、連合軍総司令部の指導の下に厚生省が全面改正して公布し施行したものです。

生活保護の概要

憲法第25条には、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定められています。

生活保護法はこの憲法の理念に基づき、国が困窮するすべての国民に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としてつくられています。

生活保護の種類

生活保護は(1)生活扶助(2)教育扶助(3)住宅扶助(4)医療扶助(5)介護扶助(6)出産扶助(7)生業扶助(8)葬祭扶助の8種類に分けられていて、それぞれの最低生活を充足するに必要とされる限度においての具体的な支給範囲が定められています。

支給される金額

生活保護費は厚生労働省が定める最低生活費から自分の収入を差引き、その差額分が生活保護費として支給される仕組みになっています。

最低生活費が15万円で自分の収入が8万円の場合の生活保護費は7万円になり、自分の収入が最低生活費を上回ると受給ができないことになります。

最低生活費とは

最低生活費とは居住地域や家族構成、障害の有無などを考慮して算出される金額で、例えば千葉県浦安市で一人暮らしの40代の人は最低生活費が120,790円に定められています。

最低生活費を下回る人は生活保護費を受給できて無職の人は問題ありませんが、働いている人は収入が最低生活費を上回ると生活が苦しくても受給対象外になります。

生活保護は生活が困窮している人を救済する目的があるので低収入の人の方が支援を受けやすい仕組みになっていますが、資産を所有している人は受給できないケースがあります。

生活保護の受給対象になるのは持ち家や車などの資産を持っていない人で、持ち家や車などの資産は売却により生活費を確保できると判断されるため所有が認められていません。

申請前に活用を求められる資産

申請前に活用を求められる資産は、持ち家や車の他に以下の4つがあげられます。
  1. 10万円以上の現金や預貯金
  2. 申請者や親族が居住していない土地
  3. 生命保険、医療保険、学資保険など返戻金の発生する保険
  4. 融資を受けられるローンカード

上記の資産を売却あるいは解約してそれでも生活費が確保できない人が生活保護を受給できることになっていますが、やむを得ない事情や価値がないことで所有が認められる場合もあります。

支給期間

生活保護受給期間の全体平均は76.8ヵ月で年に直すと6.4年になりますが、平均より長いのが死亡の113.5ヵ月で年では平均10年近くになり、施設入所が106.6ヵ月、医療費他法負担は91.5ヵ月です。

生活保護

相談・申請の窓口

生活保護の相談・申請の窓口は居住地域を所管する福祉事務所の生活保護担当で市区町村に設置されていますが、福祉事務所が設置されていない町村は役場で手続きができます。

手続きの流れ

生活保護の手続きの流れは市役所の社会福祉課などの担当窓口に行くことで始まり、面接相談で現在の収入や資産の状況を確認し制度の説明を行い今後の生活を考えます。

生活保護申請の他に方法がないと判断されれば保護の申請を行い、申請に基づいてケースワーカーが世帯の収入や資産、扶養義務者からの援助などを調査して1回目の家庭訪問が行われます。

申請した調査に基づいて保護が必要かどうかの判定を14日以内に行い、生活保護を適用する必要があると判定された時は適用を決定し、必要ないと判定されれば申請却下の決定が行われます。

生活保護の決定後にケースワーカーに相談しながら援助計画が立てられ、決定で指示された窓口で1回目の保護費が渡され保護を受ける遵守事項やサービスの説明が行われます。

事前相談

事前相談は居住地域を所管する福祉事務所の生活保護担当に行い、福祉事務所を設置していない町村に住んでいる場合は町村役場でも行うことができます。

保護の申請

保護申請書類は特別なものではありませんが、制度の仕組みや各種社会保険施策等の活用で事前相談が大事で、申請後に世帯収入や資産状況の資料提出が必要な場合があります。

保護費の支給

生活保護制度では生活を営む上で必要な費用の扶助が支給されて、日常生活に必要な費用や家賃、義務教育を受ける費用や医療費用、介護費用や出産費用、就労の費用や葬祭費用などが支給されます。

生活保護申請に必要な書類

生活保護申請に必要な書類は、申請書や申告書(収入・資産)、本人の確認書類(運転免許証など顔写真つき)や健康保険証、印鑑や収入に関する書類や資産に関する書類、その他の書類になります。

生活保護の申請前に自助努力で生活できないかの確認

生活保護を申請することは国民の権利であると同時に最低生活の保障であることから色々な義務や制約があって、働けるのに働かない場合には保護を受けられないことが考えられます。

保有現預金や生命保険返戻金の活用、親族の援助や国民年金等社会保障制度の活用、貴金属・有価証券等の処分、土地や家屋の処分、福祉事務所の調査や指示に従うことなどが必要になります。

生活保護の対象者

生活保護を受給できる人の条件

生活保護を受給できる人の条件は世帯収入の合計が厚労省の定める最低生活費以下であることや、すぐに生活費に充てられる現金や預金、株などの財産を持っていないことなどになります。

65歳未満の健康体で働く能力がある場合は最大限働く努力が必要ですが、65歳以上であることや年金やその他の手当てなど活用するものがない人の場合は受給できる条件に該当します。

働けない人

病気や障害などで働けないので生活費が足りなく困っている人は、働けない理由が病気や障害であり生活保護の受給対象者になります。

働けない人は世帯収入が最低生活費以下となるケースがほとんどであり経済的に困窮することが多いので、生活保護を受けざるを得ないと考えられます。

預貯金がない人

預貯金などの蓄えが多い場合は生活保護を受給することはできないと判断され、自分の貯金を切り崩して生活してそれでも足りない場合にはじめて生活保護が受給できます。

具体的には貯金額が世帯の最低生活費以下であれば生活保護の申請ができて、生活費の半月分までは保有することも許容されます。

例えば最低生活費が14万円の場合、貯金額が13万円以下であれば生活保護の申請ができ7万円までの保有が認められることになります。

換金できるものは換金する必要

特別な事情がない限り換金できるものは換金する必要があり、車を手放して換金することや生命保険なども給付金があればもらい解約する必要があります。

親戚から援助が期待できない、または足りない人

3親等の親戚の資金援助が可能であれば資金援助をしてもらい足りない額を生活保護費とすることが必要で、生活援助が可能な親戚がいないことや最低生活費に足りない援助額であることが条件です。

生活保護を受給する条件

収入が居住地域の最低生活費を下回っていることが生活保護を受給する条件で、持ち家の住宅ローンを完済している場合は住み続けることができます。

支給される金額は世帯の状況によって異なり11万円から19万円の範囲が多くなっています。

ケースワーカーの指導を無視すると審査に落ちる可能性があるので、注意が必要です。

資産は処分する基本

生活保護を受けるための条件として資産の活用は基本であり、預貯金の活用や利用していない土地・家屋等は売却して生活費に充当することとされています。

しかし持ち家がある場合は、売却以外のケースも考えられます。

例外として処分されない資産もある

居住に用いられている持ち家の家屋や土地については、保有を容認しながら生活保護適用が許容されることがあります。

ただし処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められる場合は、売却等による資産の活用をした上で保護の要否を判断することになります。

収入は「生活保護の基準」を下回るのが条件

生活保護を受給するためには申込者の世帯収入が居住地の最低生活費より低いことが条件で、最低生活費以上になっていると受給できないことになります。

条件=居住地の最低生活費より低いこと

最低生活費は憲法第25条で保証され健康で文化的な最低限度の生活を送ることが定められていますが、居住地によって必要な費用が異なり東京と地方では大きな差があります。

生活保護受給に際しての留意点

生活保護の注意点

生活保護を受けるメリットは、生活を維持するために最低限の生活費を受け取ることができることや生活保護中は支払いが免除されるものがあることなどです。

生活費の支給対象は、最低限の生活費や住居費、教育費等になり、免除されるものは住民税や固定資産税などの税金や国民年金や国民健康保険の保険料や医療費、保育料などが該当します。

しかしデメリットでは、ローンを組むことができないことやクレジットカードを利用できないこと、所有が可能なものの制限や福祉事務所・ケースワーカーの訪問があることなどです。

家や車を持つには「やむを得ない事情が必要」

住んでいない家や土地は売却が可能ですが、住む家は即時現金化できる資産とはみなされず、住む家が無くなると生活保護受給者の生活が困窮するので持ち家は住みながらの受給が可能です。

基本的に生活保護の受給者は車が持てないが、バスや電車が来ない地域に住んでいる場合や車を運転するのが仕事である場合はやむを得ない事情であり車を持ってもいいことになります。

年金受給者は年金を差し引いた支給になる

年金が生活最低費に満たない場合は、生活保護制度を活用すれば生活最低費と年金の差額の受給を生活保護費として受け取ることができることになります。

まとめ

生活保護制度は生活困窮者に対して自立を助長することで健康で文化的な最低程度の生活を保障する制度で、生活保護法の考え方を基本にしています。

生活保護の概要は、国が憲法第25条に基づいて国民の健康で文化的な生活を営む権利に対して社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めることが定められています。

生活保護の事前相談や申請手続きなどの窓口は居住地域の市町村で、生活保護の適用が決定されると援助計画が策定され最初の支給の際にサービスの説明が行われます。

生活保護の対象者は条件が設けられており、世帯収入が最低生活費以下であることなどの他に働けないことや預貯金がないことなどが条件になります。

生活保護受給に際しての留意点は生活保護を受けるメリットとデメリットがあることを理解して、家や車を持つことができるやむを得ない事情を把握することも大切です。